婚姻届の証人の具体的な書き方〜基本から注意点まで〜
婚姻届様式の右半分には、婚姻届の証人欄があります。
ここに記入する証人は、「2人の婚姻の意思に間違いがない」と承認する大事な部分。
そして、この証人欄には2人の記入が必要です。 (1人のみの記入だけでは、受理されません。)
証人になれる条件として、「成人」であることが必要です。
ただ未成年であっても、一度でも婚姻したことのある人は、成人とみなされるので、証人になれます。
また、証人は身内(両親、兄弟、姉妹、祖父母)でもなれますし、友達や知り合い、顔見知りでもなれます。
一番、多いケースが、夫または妻の両親の一方ずつの親を証人としているのですが、夫だけの両親、妻だけの両親でも、全く問題ありません。
要するに、成人で意思能力を持っている人なら誰でも証人になれるわけなのです。
ちなみに、外国籍の人でも証人になれますよ。
でも、市役所窓口では、住所地が日本国内にある人に証人になってもらうようにしているところがほとんどです。
というのも、住所地が国外では住所として確認し照合することが困難だからです。
例えば、婚姻届を受け付ける時に、証人の情報に誤りがないかどうかを市役所職員が調べるのですが、その時に、外国籍の人が証人になっている場合で、国籍「ブラジル」 住所地「ブラジル サンパウロ州サンパウロ市〜」と記入されていても、国籍はともかく、本当にその証人がその場所に住所登録があるのかどうかは分かりません。
正確に住所登録の照合を取るとなれば、届出人や証人に現在の住所登録が分かる書類を出してもらわなければいけない事になりますし、そうなると届出人にとったら、かなりの負担になりますよね。
日本国籍の人でも住所登録地が外国にある場合は、同じことがいえます。
つまり、外国籍であっても日本国籍であっても、国内に住所登録を置いている人に証人になってもらうほうがスムーズなのです。
証人欄はそれぞれ自筆が求められる
証人欄は、証人となる2人が、それぞれ自筆で記入する必要があります。
名前はもちろんフルネームで記入し、生年月日は和暦(昭和、平成など)で書きます。
住所地、本籍地も都道府県から記入し、正確に記入しましょう。
住所地、本籍地は分かるようなら、番地、番、号も正確に記入することが必要ですが、分からなければ、番地、番、号のところは「ー」(ハイフン)でも大丈夫です。
ただ、証人みずから自筆で書いていて、情報を誤ることはないという判断から、証人の情報が誤っていると、市役所側は受理してくれません。
また、証人が本当に自筆したものかという筆跡鑑定まではしませんが、明らかに別人が書いたものだと分かる場合は、虚偽の届出を疑われますので、誤解されないように注意しましょう。
証人の印鑑は必要?
証人の署名した名前の末尾には、印鑑を押さなければなりません。
この時、夫婦の一方の両親が証人になる場合、同じ印鑑の使い回しはできないのでご注意を。
婚姻届に限らず戸籍届書は、原則、1人一つの印鑑で押すことになっています。
なので、別々の人が、一つの印鑑を使用することは控えましょう。
使用する印鑑も、シャチハタなどのゴム印でなく、認印や三文判、可能なら実印などの印影が変形しないものが求められています。
また、名前の末尾だけでなく、欄外にも捨印を忘れないようにしましょう。
なお、外国人が証人になる場合は、押印や捨印は不要です。
これは、外国人は押印の慣習がなく、代わりにサインを利用しているからです。
でも、例外として漢字圏の国、例えば韓国や中国の場合は、印鑑の慣習があるので、押印や捨印の必要があります。
友人に証人になってもらう場合のデメリット
婚姻届の証人になってもらう人は、夫婦である届出人にとって特別な存在の人が多いもの。
両親が証人になる場合が多いですが、中には友人にお願いする人もいます。
友人に証人になってもらうことは、決して悪いことではありません。
でも、友人がうっかり自身の本籍地を書き間違えてしまっていたらどうしましょう。
住所地は身近なものなので、書き間違いは少ないですが、本籍地は身近なものではないため、誤った本籍地を記入する人は多いです。
証人欄は、正確な情報を記入する欄なので、ここを誤れば婚姻届は受理されないのです。
せっかくの記念日に婚姻届を出しに来たのに、その日に受理されないと困りますよね。
そのような時、証人である友人と、すぐに連絡は取れるでしょうか?
仕事中であったり、その他の用事で連絡が取れない場合も想定されます。
また、連絡が取れたとしても、友人が自分の本籍地を把握していない場合は、早急に友人の本籍地を調べてもらう必要があります。(市役所では調べてもらえません)
厳しい市区町村役場であれば、証人自らに補正や修正を求めていますので、市役所窓口に証人を連れてこなければならないケース、また、一度、届書を持ち帰って証人に手直しをしてもらった上 で再度提出するケースもあるのです。
そこで、両親であれば、友人よりも連絡が取りやすい場合も多いでしょうし、自身の本籍地を把握している場合も多いので安心ということです。
証人になってもらえる友人がいるというのは、とても素晴らしいことですが、上記のデメリットを理解したうえで届出してくださいね。