婚姻届は、どこに出すの?~あなたにとって一番有利な提出先はどこ?~
ここでは、婚姻届をどこに出すのが一番良いのかをお伝えします。
婚姻届は、どこへでも出せる届です。
つまり、夫婦どちらかの本籍地はもちろん、夫婦どちらかの住所、夫婦が一時的にいる場所(居所)ならどこでも出せるんです。
なので、旅行先や二人の思い出の場所、さらに言うと、フッと気が向いた場所でもOKなのです。
海外で出す場合でも、日本人同士の婚姻届けなら、現地の大使館もしくは領事館でも受け付けてくれます。
そういうことなので、どこに出すのかを迷ってしまうんですね。
この記事では、1歩深くふみ込んで、婚姻届をどこに出すのが一番有利なのかをパターン別に紹介していきますので参考にしてみてください。
そこで、下記のようにパターン別に分けて
という5つの視点で説明しますね。
出来るだけ費用をかけたくない場合
「無駄な費用は払いたくない。」 誰もが思うことですが、婚姻届の提出にも、このように考える人もいるでしょう。
それでは、少しでも余計な経費をかけないためには、どこに出すのが一番なのでしょうか。
婚姻届を出すには戸籍謄本が必要です。
婚姻届を出すのは無料でも、戸籍謄本を発行するためには450円の手数料が必要なのです。
※戸籍謄本の発行手数料は市区町村役場によって異なります。
ということは、戸籍謄本の発行手数料を無くすということがポイントになってきますね。
そこで、もう一つ覚えておきたいのは、本籍地の市区町村役場に婚姻届を出す場合は、戸籍謄本は不要となること。
夫も妻も本籍地を同じ市区町村に置いているなら、本籍地の市役所へ婚姻届を出せば、戸籍謄本を持っていかなくても良いというわけなんです。
夫と妻が別々の市区町村に本籍地を置いている場合は、婚姻届を持っていく市区町村に本籍地を置いている、夫あるいは妻だけが、戸籍謄本が不要になります。 →これについての詳しいページはこちら
つまり、本籍地の市区町村役場に婚姻届を出せば戸籍謄本を持っていく必要がないので、経費を抑えることができるのです。
また、やむなく、本籍地の市区町村役場へ婚姻届を出せず、戸籍謄本を持っていくことになっても、 コンビニ交付や市役所が設置している自動交付機などの機械で戸籍謄本を発行すると、手数料が安くなる自治体も多いので、利用すると良いでしょう。 ※機械での戸籍謄本発行は、マイナンバーカードが必要になります。
本籍地が住所地から遠く離れていて、婚姻届を本籍地へ持参するのが手間も経費もかかって大変という人は、
婚姻届を直接、本籍地へ郵送するという手段もあります。
切手代金はかかりますが、戸籍謄本の発行手数料よりは安いですし、本籍地の役所へ訪問する旅費を考えれば手間も経費も抑えられますよね。
ただ、戸籍を郵送する場合は、戸籍届書の記入に誤りがあっても修正や補正が出来ないので、事前に住所地など近くの役所に誤りがないかどうかを確認してもらってから送るほうが良いでしょう。
婚姻後の戸籍が早く欲しい
結婚したことが記載されている戸籍が早く欲しいなら、新しく本籍地を置く市区町村役場に提出すると良いでしょう。
お互い初婚の人が婚姻届を出せば、二人の新しい戸籍が作られます。
二人の新しい戸籍が作られる本籍地の役所で提出すれば良いのです。
再婚の人の場合は、婚姻届を出した後の、一緒になった二人の戸籍が置かれる本籍地の役所へ出せば良いことになります。
つまり、新しく結婚した事項を記載してくれる市区町村の役所に婚姻届をだせば、最短で戸籍証明が取得できるのです。
戸籍ができるまでの経過をお伝えすると、本籍地の役所が正式に婚姻届を受理してから通常は、一週間程度かけて戸籍が作成されます。
婚姻届を出したのが本籍地の役所なら、出した日(平日)に審査受理され、そこから1週間程度で作成されることになります。
もし、本籍地以外の市区町村役場に婚姻届を提出すると、受付した市区町村役場で審査受理され、戸籍処理がされた後で、新本籍地の市区町村役場へ戸籍が郵送されて作成される流れとなります。
そうなると、直接、新本籍地の市区町村役場へ婚姻届を出すよりも、受付した役所の戸籍処理と郵送の時間分、戸籍の作成が遅れることになってしまいます。
それを考えると、新しく置く本籍地の市区町村役場へ直接、婚姻届を出せば、他の役所を経由することなく、早く戸籍が作成されて、いち早く戸籍の取得ができるというわけなのです。
また、本籍地の市区町村役場へ婚姻届を出すときに、「戸籍証明が早く欲しい」ことを伝えておくと、優先的に処理をしてくれる役所も多く、より早く戸籍を作成してくれます。
婚姻後の住民票がすぐ欲しい
婚姻届を出して、すぐに住民票が必要になるケースもあるでしょう。
婚姻届後の住民票がすぐに欲しいなら、住所地の市区町村役場へ婚姻届を出す必要があります。
というのも、住民票は基本的に住所地の市区町村役場でしか発行できないからです。
また、住民票のデータを作成するのは、住所地の市区町村役場になります。
住所地以外の市区町村役場へ婚姻届を出せば、受付した市区町村役場は、住所地の市区町村役場へ連絡することになるんです。
具体的には、住民票作成依頼の通知(9条2項通知)が送付されることで、住所地の市区町村役場が婚姻届によって情報が変わったことを知って、住民票の内容を変更することになります。
すぐに、住民票が急ぎで欲しいなら、直接、住所地の市区町村役場へ婚姻届を出せばよいことで、わざわざ他の市区町村役場を経由する必要はないわけです。
※広域交付の住所票といって、住所地以外のどこの市区町村役場からでも、住民票を発行できたり、マイナンバーカードを持っていれば、住所地以外のコンビニからでも住民票は発行できますが、住所地の市区町村役場で住民票データの作成が終わるまでは、発行できないので注意。
なので、婚姻届を出したあと、即日、婚姻後の住民票が欲しいなら、住所地の市区町村役場へ届出するのが良い選択なのです。
⇒結婚したことが反映された住民票が欲しい時の注意点
記念品や記念サービスを求める
最近は、婚姻届を出してもらった記念として、市区町村役場ごとに記念品やサービスを提供してくれるところも出てきました。
自治体によって記念品の種類が違い、ぬいぐるみ、湯呑みや金券、フォトスタンド、写真撮影サー ビス、提出した婚姻届のカラーコピーのプレゼントなど様々です。
こうした記念品サービスを実施していない市区町村役場もありますが、最近はお二人の門出を祝う、うれしいプレゼントをするところも増えてきました。
夫婦二人で5千円分の金券をプレゼントする大盤振る舞いの市区町村役場もあるので、記念サービス、記念品目的なら、事前に電話でサービスや、もらえる条件を確認のうえ婚姻届を出すところを検討してはどうでしょうか。
出しに行く手間をなるべく省きたい
婚姻届は、夫婦のどちらかの本籍地か、新しく置く本籍地、または夫婦の住所地に提出する人が多いですが、届出人の所在地でも提出することができます。
所在地というのは、簡単に言うと「今、いる場所」というもので、まったく縁もゆかりもない市区町村役場でも、婚姻届が提出できるということになります。
※この場合、受付担当職員が、婚姻届のその他欄に「届出地は、届出人の一時滞在地である」と記すことになります。
なので、例えば北海道や沖縄での旅行先や、ディズニーランドやUSJで結婚式を挙げた後でも、現地の市区町村役場へ日時、時間を選ばす婚姻届を出すこともできますよ。
結婚準備に忙しくて、住所地や本籍地に婚姻届を出せない状態だとしても、お好きな市区町村役場で受付してもらえることは、嬉しいですね。
お二人の記念の場所として、自由に提出する市区町村役場を選ぶのも良いし、手間をなるべく省くために効率のよい市区町村役場を選ぶのも良いでしょう。
前述した、本籍地へ郵送での婚姻届提出も、手間を省くことも出来ますが、婚姻届の記入に誤りが無いことが前提です。
軽微な記入漏れや記入間違い程度なら、役所職員が手直しして受理してくれますが、記入に重大な不備がある場合、一度送った婚姻届が返送されるケースもありますし、直接、本籍地の市区町村役場に足を運ばなくてはならないケースもあるので注意しましょう。